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「念校」を見ています [仕事]

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前回のエントリで「仮面ライダー 1971-1973」の作業はすべて終わり……
とか、書きましたが。

嘘でした。

タイミング的に出るかどうか微妙だったのですが、「念校」が出たので、今日は朝からそれをチェックしています。
小説に限らず、あらゆる出版物は印刷される前に「校正刷り」が出ます。……デジタル化された昨今、「刷り」が出ると言い切るのはちょっと乱暴かもしれないですね。なんにせよ、形態はともかく「校正」作業が発生します。
最初に出るのが「初校」で、これを著者、編集者、専門の校正の方(出版社によっては校閲と呼んだりもします。本来、校正と校閲は厳密には別のものなのですが……)がチェックをして、間違いがないか探して赤を入れます。
その赤入れが多くて再チェックしないとマズいと判断されたり、そうでなくてもスケジュールに余裕があれば、「再校」が出て、またチェックします。「仮面ライダー 1971-1973」は先月の半ばにこの再校チェックを終えていたのですが、その頃の予定よりは出版時期がちょっとだけ遅くなったので、「念校」=「三校」をとることができたわけです。通常、このあたりになると前回の赤入れがきちんと反映されているかのチェックになるので、著者は見ずに編集の方だけで処理されてしまうことが多いのですが、今回はこちらにも回ってくる余裕があったということですね。

余談ですが、僕は時々、校正のことを「文字校」呼んでしまう癖があります。
物書きのデビューがライターだったためで、最初から小説家専業の人だと使わない言葉だと思います。「文字校」というのは「色校」に対する言葉で、雑誌のようにテキストと写真、図版が混在している印刷物の場合、まず最初にテキスト部分のみの校正刷りが出て、文字だけなのでこれを「文字校」と呼びます。そこに図版が挿入されて仕上がりに近くなったものを「色校」と呼びます。
小説の場合、基本、「色校」というものはないので、「文字校」という言い方もあり得ないわけですが、昔からの癖でついつい使ってしまうというわけで……余談でありました。

「仮面ライダー 1971-1973」については、近日中にカバー画像もアップできると思うのですが……うーん、期日はちょっとわかりません。今回、カバーの紙自体がテクスチャに癖があるものだったり、文字に箔押しを使ったりしているので、試し刷りをそのままスキャニングしても、現物を再現できないらしいんですね。
今回、カバーは大変渋いデザインになっております。ちなみにカバー、本編ともにイラストは一切ないので、講談社版のイラストが好きだった方は慌てて捨てちゃったりしないようにしてください(笑)。

ちなみにちなみに。
写真は「再校」の刷りです。こんな感じの二段組です。高度な撮影技術によってテキストが読めない微妙なボケを入れましたが(笑)、第三部「流星 1973」の最初のあたりですね。
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コメント 1

べっち

「念校」・・・なんか超能力の一種みたいっすね。
  念じるだけであれよあれよと云う間に原稿ができてしまうというありがたぁい・・・・ でもきっと「三つの願い」みたいな落とし穴があるんでしょうね(あ、「稿」じゃなくて「校」だった)。

  ふむふむ「文字校」に「色校」ね。いろいろと雑学の身に付くブログですなぁ(*^_^*)
by べっち (2009-01-09 17:00) 

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